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絶メシから見る愛されるお店。

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絶メシから見る愛されるお店。

飛び抜けて美味すぎると言ったらそんなことはない。ただ、どことなく居心地が良いというか、たまにふらっと行きたくなるようなお店。

こんにちは、フレンチシェフをしているかえると申します。今回は『愛されるお店』について考えていきたいと思います。

先日、群馬県の高崎市でオススメしている『絶メシ』リストに載っているお店に行き、改めて愛されるお店について思ったことがありました。

その前に、ちょっと気になるフレーズだと思うので『絶メシ』について軽く説明していきますね。

 管理者:かえる

料理歴19年目現役フレンチシェフ。浅草フレンチのリエーブルからフランス料理の世界に入り、リゾートホテル、都内、横浜ナチュラルフレンチ、ミシュラン星付きレストラン、銀座ビストロなどで研鑽し、32歳で結婚式場の料理長に。料理、製菓、製パンなどなんでも作ります。各種SNS、ラジオ、YouTubeなどで料理について発信。

絶メシとは?

古き良き『絶やしたくない、絶品グルメ』のことで、主に群馬県の高崎市にある飲食店リストです。

リストにある多くのお店はご高齢の方が営んでいるので、なんとかこの味を繋げていきたいという思いで立ち上げられたものでしょうか。今まで何店舗か行ってみましたが、どれもおいしい。そして何より愛があります。

ただ、ご高齢夫婦二人でやっていたりもするので、提供時間などはご容赦いただけると幸いです。それを考えても行く価値があるお店ばかりです。

興味ある方はこちらから入ってみてください。めっちゃおもしろいですよ。

絶メシはこちらから

SR-50の『風船ハンバーグ』

さて、今回は高崎市にある『SR-50』というレストランへ行ってきました。開業1983年なので、もうすぐ40年。どうでも良い情報ですが、お店的には僕の一つ上の年齢ですね。

この『SR-50』は「スーパーレストラン」の略らしく、もうそんな名前を付けられてしまうとめちゃめちゃそそられます。どこかスターウォーズのR2-D2に似ていると思ったら、ちょうど開店時期に映画スターウォーズが流行っていたらしく、デザイナーの方が考えたんだとか…。

遊び心たっぷりの独特の感性に惹かれます。

そしてここのお店の名物は、『風船ハンバーグ』と呼ばれるもので今回はそれを目当てにふらっと行ってみました。

車でお店を探していると、少し離れたところでも目立つ『SR-50』のかなり大きめの看板を発見。

外観からまたレトロな良い味を出しています。入る前からワクワクしますね。

中に入ると、左手にバーカウンターの席があり、『お!お客さんかな?』と思ったら店主の方でした。

そいうところも憎めないんですよね。少しゆるめのこの感じは、今のファミレスでは絶対に味わえない感覚です。

意外とこういうのって貴重で、その空間でしか味わえなくてちょっとクセになる『あ、良いな』と思える感じには価値があります。個人店の強みにはぜひ、こういった部分を取り入れていきたいですね。

そして奥の席へ。

奥の方は海の家っぽい感じの、80年代であったらものすごくおしゃれな感じになってます。(今でも良い感じですよ)

そして、サービスをこなすお母さんの感じがとても良い。なんだろう、ジブリに出てきそうなレストランの中で働くテキパキしたお母さんをイメージさせられます。これもファンをつける一つの要因ですね。

見えるスタッフの顔=お店の顔だと言っても過言ではないので、こういったお店にはすごく好印象を持ちます。

メニューを見ると、主に洋食でハンバーグをはじめ、シチュー系、ステーキやチキンなど魅力的なメニュー構成。

迷わず風船ハンバーグを頼もうと探していると、メニューのどこにも書いてありません。ハンバーグ系のメニューが5、6種類くらい書いてあったので、『これ全部風船なのか!』と気がつくまで5分はかかりました。

メニューで細かく説明してある丁寧さも良いんですが、こういった感じの見つからなくて探したり、想像したりするのも場合によっては楽しみに変わるものです。誰かと一緒に行ったり、後で話をするときのネタにもなるので。

とりあえずトマトハンバーグを頼むことに。

ここでは、サラダバー、ドリンクバーとなっていてパンなどもビュッフェスタイルです。二人で切り盛りするには良い方法ですね。

ちゃんとパンの横にはオーブントースター完備なので、熱々で食べられます。そしてパンの種類なんですが、通常のソフトパン以外に、ガーリックフランス、食パン、クリームパン、あんぱん!?など、他にもありました。

ちょうどお昼時、平日火曜日の12時くらいだったんですが、子供連れの家族から仕事休憩のガテン系の方まで様々な客層の方々が来るのを見て、地元から本当に愛されているんだなぁと実感。

厨房はお父さん一人なので、メインが出てくるまではちょっと時間がかかります。

パンの種類が多いのはそのための設計なのかもしれませんね。これなら子供も先にパンを食べたりして楽しんでいられますし、飽きません。

時間の使い方の設計もとても大事なことで、嫌味の無い待ち時間は逆に心地よい時間に変わったりするんです。

そうこうしているとメインが出来上がってきたので、早速食べてみることに。

びっくりするくらいパンパンに膨らんでます。これは完全に風船。それに上に書いてある『トマト』という文字が、「ここでちゃんと作ってますよ!」って感じが伝わってきてすごく良い。

妥協無しの、ちゃんとおいしくエンタメ性も詰まったハンバーグ。大きく膨らんだアルミホイルを破る時のワクワク感がたまりません!

開けてた後もめちゃめちゃグツグツしていて簡単には冷めません。

おいしいトマトソースにとろけたチーズ。そしてジューシーな肉肉しいハンバーグが最高です。ハフハフ言いながら夢中で食べてしまう。熱々だけれど、食べずにはいられない。こういうのが大事ですよね!

味ももちろんおいしいんですが、この演出が素晴らしい。

アルミホイルを開ける前のワクワク感、開けた時の香りの広がり方、ずっとグツグツする様に熱してある鉄板。お店やお母さんの雰囲気も相まって最高の空間になっています。なんて思いながら味わってきました。

愛されるお店

お店の雰囲気は、ほぼ働くスタッフが作ります。生き生きと働く姿であったり、笑顔であったり、ホッとさせてくれる感じであったり。『また来たいな』と思わせてくれるお店にできたら、それは成功だと思うんです。

お店のコンセプトやらなんやら色々とあるとは思うんですが、結局は『人』が大事で「この人に会いにいきたい」「どうせお金を払って食べるのなら、この人のお店にいきたい」と思わせてくれるかどうかが今後大切になっていくし、現に今も大切なことだと思います。

『SR-50』とまったく同じ感じのお店にはできないでしょう。それがキャラであり独自性なので、自分のお店で出せるそれぞれの居心地良い雰囲気であったり、また行きたいと思われる様なお店作りを考えていかなければなと改めて考えさせられました。

「また行きたい」と思いました。愛されるお店に勉強する部分はたくさんありますね。ごちそうさまでした。

『レストランSR-50』

群馬県高崎市中居町2丁目4-22  JR倉賀野駅から1,994m

営業時間 11:00~24:00
【ランチ】 11:00~15:00
【ディナー】18:00~24:00(L.O23:30)

定休日 火曜日(不定休) ※ランチのみの営業も有

新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

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