
冬になると、無性に食べたくなる豚まん。
実はいま、群馬の食材だけで作る「高崎豚まん」を開発していて、今年12月に発売予定です。
きっかけは、いつもの八百屋さんとの、ほんの何気ない雑談でした。
今回は、ラジオで撮った試作の様子と一緒に、
豚まんプロジェクトの裏側をお話しします。

豚まんの分量は企業秘密なのでナイショですが、こだわりはたっぷりお話しします!
始まりは、八百屋さんとの何気ない雑談
このプロジェクトが始まったのは、2024年の秋ごろ。
いつも野菜を仕入れている八百屋さんと話していて、
「冬のこういう寒い時期に、豚まんとか作れたらいいですよね」
「あったら美味しいですよね」
そんな、本当にたわいもない会話でした。
そこで僕が「じゃあ、作ってみます」と言ったのが、すべての始まりです。
物事が始まるきっかけって、意外とこういう雑談の中にあるのかもしれません。
なぜ「群馬」で「豚まん」なのか
豚まんプロジェクトのテーマは、群馬の新しいお土産をつくること。
群馬のお土産というと、ラスクなどが有名ですが、
「それだけだとちょっと寂しいよね」という思いがありました。
そこで改めて群馬の食材を見てみると、豚まんにぴったりの素材がそろっていたんです。
- 豚肉:群馬は養豚が盛んで、おいしい豚肉が手に入る
- 小麦:実は小麦の生産量も全国上位。生地には群馬県産の小麦「絹の波」を使っています
- 玉ねぎ:もちろん地元で手に入る
「あれ、群馬の食材だけで豚まんが作れるじゃん」
ちょうど豚まんの話をしていたこともあって、そこから一気に話が進みました。
僕の役割は、レシピづくりなどの商品開発。
販売はパートナーに任せて、フレンチシェフの仕事のかたわら、豚まんと向き合っています。
具材のこだわり

具材は、群馬の豚肉を中心に、旨味を重ねていく設計です。
- 豚肉は粗挽き。肉らしい食感が残ります
- 玉ねぎは粗みじん。細かすぎない方が、食べたときに食感が残っていい感じに
- 干し椎茸で旨味をぐっと強く
- 油ねぎで、旨味・甘み・コクを一気にプラス
- 片栗粉で肉汁を閉じ込める
- 塩はフランス・ゲランドの塩。さらに塩麹も
- 仕上げのごま油は香りの要。これは必須です

意外と大事なのが、砂糖と塩のバランス。
ここで豚まんらしい味が決まります。

材料をすべて入れたら、キッチンエイドでひとまとまりになるまで混ぜます。
練りすぎなくて大丈夫。
混ぜ終わった時点で、もうごま油と玉ねぎの香りがして、蒸す前から豚まんの匂いがするんです。

混ぜた具はラップをして少し置いておきます。
素材から出た水分を干し椎茸が吸って、旨味がまわりに広がり、いちばんいい状態になります。
豚まんは「生地」で決まる

具ももちろん大事ですが、僕は豚まんのおいしさは「生地」で決まると思っています。
生地がおいしくないと、豚まんはおいしくならない。
だから生地は、試作に試作を重ねてきました。
ヒントにしたのは、中国の蒸しパン「饅頭(マントウ)」。
普通の豚まんとは、少し作り方が違います。
- 油はラードではなくサラダ油。こちらの方が生地が軽くなる気がして、あえて選んでいます
- ぬるま湯だけでなく牛乳も加える。これがマントウに近いやり方です
- イーストとベーキングパウダーの両方でふくらませる


ひとまとまりになったら、表面がつるっとするくらいに軽く丸めて、発酵へ。
今回は50分ほどで、2倍くらいにふくらみました。

発酵はさせすぎても、足りなくてもダメ。
そして不思議なことに、この生地はガス抜きをしすぎない方が状態がいいんです。
包み方は、ひたすら修行

生地は綿棒を使わず、手でポンポンと広げていきます。
具はたっぷり。
包み方は、551蓬莱の動画を何度も見て練習しました。
簡単そうに見えるけど、ここはもう修行です。

包んだら、もう一度25分ほど二次発酵させます。
蒸したてを、割ってみると

ふくらみをつぶさないよう、そっと蒸し器へ移して20分。

ふたを開けると、ふっくら蒸し上がっていました。
熱々を割ってみると……

抜群にうまい。
やっぱり、蒸したての豚まんは最高です。
この日は、群馬の名産でもある榛名の梅を使った梅ペーストと合わせる試作も兼ねていました。
イベントでの反響と、これから
撮影した2025年11月の時点で、本格的に製造をスタート。
イベントにも出店していて、2,000個ほど売れるほどの反響をいただきました。
毎回のように売り切れてしまうのは、作り手としては本当にうれしいことです。
名前やパッケージなど、商品としてのブランディングも進めてきました。
そして、いよいよ発売へ
あれから1年。
試作と改良を重ねてきた豚まんは、今年(2026年)12月に発売予定です。
各種イベントでの販売に加えて、12月には高崎にお店を出す予定です。
商品名は、もう少しだけ秘密にさせてください。
ふるさと納税の返礼品として、「群馬の食材だけで作った豚まん」を全国に届けることも、これから進めていきます。

おうちで豚まんを作るなら
お店の味をそのまま家で再現するのは大変ですが、ポイントを押さえれば家庭でもおいしく作れます。
- 手頃な豚肉を使うなら、粗挽きより細挽きがおすすめ。安い豚肉の粗挽きは、歯に挟まるような硬さが出やすいです
- 干し椎茸などの細かい食材がなくても、シャンタンを使えば一発で味が決まります
- 油ねぎの代わりに、ねぎや玉ねぎを油で揚げたものでもおいしく作れます
- みじん切りはフードプロセッサーを使うと、早くて飛び散りません
なんでもない雑談から始まった豚まんプロジェクト。
群馬の食材のおいしさを、豚まんを通して届けられたらうれしいです。
12月の発売、ぜひ楽しみにしていてください。
それでは、今日も料理で幸せな時間をお過ごしください。

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